終点の旅 Final 〜北部市場編〜

今週末引っ越しになるので、以前勤めていた会社にご挨拶をして来た。

その帰りにフトした思い付きで、終点の旅へ出かけてみた。

北区の『黒川』から『北部市場』へと向かう市バスの小旅行。(まぁ正味20分程度だけど)

『黒川』は毎日通勤で使っていたバス停なので、ちょっと懐かしい気分。毎朝家から黒川までバスで来て、ちょうど降りる時間帯に、向かいの停留所から『北部市場』行きのバスが出発するのが見えていた。本当に仕事が忙しい時期なんかは、バスを降りても会社までの足取りが重く、「この北部市場行きとやらのバスに乗って、どこか遠くに逃げてしまいたい…」と思っていたものだ。
そんな辛かった頃を思い出しながら、あの時乗りたくて(逃げたくて)しかたなかったバスに乗ってみようかなと思ったわけでスナ。

ほんの20分ほどで、終点『北部市場』に到着。割とあっという間に着いちゃった。
あの頃、会社に行きたくないと言ってこのバスに乗ったとしても、実はそんなに遠くへ逃げられなかったんだね…。
現実なんて、そんなものなのサ(遠い目)…。
ちなみに、ボクはずっと『北部いちば』と読んでいたけれど、本当は『北部しじょう』が正解でした。(どっちでもいいな…)

午後だったので、いわゆる市場的な活気はなかったけど、地図で見てもかなり大きな市場のようだ。『中央卸売市場』とも書いてあったけど、名前だけは聞いた事あるな〜。終点のバス停自体が「市場関係者以外立ち入り禁止」の区域内にあるくらいなので、物見遊山で一般人がプラッと来るような場所ではないようだ。


さて、ここから家の近くまで歩いて行くのが “終点の旅” の本番だ。
とりあえずゴール地点は庄内緑地公園と定めた。できれば途中で、ショッピングモールの『mozo ワンダーシティ』を中継したい。一度行ってみたかったので。詳しい場所知らないケド…。
今回はいつものように走破ルートを計画していないので、いつも以上に難易度が高いのだ。庄内川と平行する方角だけを頼りにゴールを目指すという、かなり無謀なプランだ。

市場の裏手から、小さな川に沿って住宅街を進む。

アンテナいっぱい。何だろう?このアパート。

すごいお顔の狛犬さまが居る神社を通過。

2006年に行った終点の旅で通りかかった場所へ出た。楠インターの近くだ。
その時は何も無い原っぱだったけど、今は『洗堰緑地』という公園に整備されている。

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けっこう草ボーボーで公園っぽくなかったけど、時の移り変わりを感じちゃったな〜。


ここから川沿いに行くと前回と同じコースになってオモシロくないので、街中を進むことにした。
しかし昨日と打って変わって今日は暑かった。ハッキリ言って、当て所無く街中を歩き回ってる場合じゃない。
早く帰りたいけど、正しい道を通ってるのか分からない。疲労と不安が入り交じりながら、今回もまた迷子を楽む余裕はなかった。

さすがにちょっとフラフラしてきて、どこでギブアップしょうかと考えるばかり。フイに頭の中に『サライ』が流れ始め、先日の24時間ランナー “大島” の気持ちがちょっとだけ分かった気がした。


あまり方角に自信はなかったけれど、なんとか庄内大橋へ辿り着くことができた。

『mozo ワンダーシティ』は微妙に方角を外したようなので諦めた。もう疲労がピークだったので立ち寄っても買い物する気力もなかったけどね。


公園の近くでは、前にTVの『何コレ珍百景』で紹介されたお店を見つけた。
店の名前が『タスケテー つぶれそう〜』ってだけの、カラオケ喫茶だけどね。

ランプが付いてたから、まだつぶれてないみたい。



とりあえずゴーーーーーール!
行き当たりばったりだったけど、何とか目的地の『庄内緑地公園』に辿り着けました。

西区に越して来てからは何度か通ったけど、これで暫くはお別れということになりそうでスナ。
早朝に散歩に来た時、池のほとりで謎の小動物を見つけたのが思い出深い。
親に聞いたところ、どうやらあれはヌートリアという巨大ネズミの一種らしい。
その昔、毛皮を取るために日本に持ち込まれた動物らしいね。結局捨てられて、公園に住み着いているのでしょうか。
こんな話をすると、ナチュラリスト鉄崎さんが怒り出しそうだけど…。
またいつか、あの “ヌーちゃん” にも会いたいなぁ。

夏も終わりかけで、ひまわりもグッタリ。ツクツクボーシもたくさん鳴いておりました。

働き始めた頃から年に一度くらいのペースで続けて来た “終点の旅” も、コレにてひとまず終了。
根っからの田舎者ンにとっては、都会の街中を歩き回るというのは、ただソレだけでもオモロいものでした。
来週から暮らす地元の町は半日もあれば一周できてしまいそうな小さな町なので、知らない路地を求めてあちこち歩き回るという楽しみはない。

また、都会の路地が恋しくなったらどこかの街に出て、見知らぬ終点の地を目指して旅に出ようかなぁ…。