鳥山先生に励ましのお便りを送った事はないけれど、なんだか逆に鳥山先生に励まされたような、そんな一日。

片付けもひと段落したので、今日は栄の松坂屋美術館に行って来た。

我が心の師匠 鳥山先生の原画展ですよ。

ギリギリ夏休み期間ということである程度混雑するのも覚悟してたけど、それほど混んでおらず、ゆっくり見られたので良かった。
ドラゴンボールのみの作品展だったので正直それほど期待してなかったんだけど、生の原稿をいっぱい見る事ができたので、行ってヨカッタと思う。

大半はマンガ本編の生原稿の展示。巻頭カラーの4色・2色の原稿も生で見る事ができるのはとても貴重なコト。原稿にものすごく近づいて見る事ができたので、インクのノリやベタの塗りなんかが手に取る様に分かるのは感動的だった。
そして何と言っても、印刷されたマンガ本では決して見る事のできない修正の跡なんかも見られるのが実に興味深い。
意外と注目してないヒトが多かったけど、あの『フュージョン回』の複写原稿のクダリとか、じっくり見ると面白い展示原稿のチョイスも良かった。ストーリー中に「コピーばっかりだから、このページの原稿料いらないです」って作者が登場する場面があるけど、“本当にコピーを貼ってあったんだ!” ってのを確認できたのは貴重な体験だったと思う。

小学生なんかもたくさん見に来てたけど、原稿なんかに目もくれず走り回ってたりした。確かに一見すると、ただ抜粋されたマンガのページが壁に並べられているだけなので、お子様たちには少々退屈だったようだ。でも、かつてこのマンガを読んで色々な夢を抱いてた世代にとっては感涙ものの展覧会なのよね。
欲を言うと、あのシーンの原稿も、このシーンの原稿も見たかったって思いもあるけど、長編マンガなんでキリがないよね。印刷後には必要なくなる生原稿が残ってること自体が貴重なわけです。


ドラゴンボールは長く続いた連載だったので、開始当初から晩年まで追って行くと、原稿の質というかタッチの違いなんかが比べられて面白い。今日見て一番驚いたのは、連載初期の原稿がすごくキレイに・丁寧に描かれていたコト。第一話の原稿が、巻頭カラー〜中カラーまですべて展示されていて感動的だったんだけど、細かいところまでキチンと作画されているのにすごく感心を持った。印刷された単行本では伝わらない、生原画ならではの迫力もあったのかもしれないけど、“プロの原稿ってここまでキレイに描かなきゃいけないんだ” って、改めて思い知らされた。遠い昔、鳥山明に憧れて漫画家を目指し、見よう見まねで原稿を描いていた時期もあったけど、あの頃にこの生原稿を見てたらスッパリと夢を諦めてたろうなぁ…。

過去にも同じような原画展があって見に行ったけど、今日の方が感銘を受ける部分が多かったのは何故だろう?

地元へ戻り、またクリエイティブな仕事に就くことになりそうだけど、長期休みで気が抜けたボクに対して、“プロの仕事ってのはこうだぞ!”って師匠に戒められた気がしました。

ありがとう鳥山先生、オラ、長野県でも頑張るダ〜。