マクラーレン城西工場が再稼働する日

マクラーレンルイス・ハミルトンが来期メルセデスAMGへ移るということで、F1界はちょっとした騒ぎになっているようだ。

2007年の彼の鮮烈なデビューに魅せられて以来、ずっと応援してきたボクにとってもかなりショッキングな出来事だ。

先週のレースでは、順当にポールスタートしたのにマシンが壊れ、早々にリタイアして0ポイントに終わる(しかも、あろうことかベッテルが勝ってしまう)という、失意のシンガポールGPを終えたばかりなのに、ナーバスなニュースが続くものである。

名将ロス・ブラウンが率いるとはいえ、現状では中堅程度にランキングされるメルセデスAMGで、今後彼が活躍して行けるのか本当に不安になるわけ。


今までは「ハミルトン」と「マクラーレン」をセットで応援できたのも良かった。
やっぱりマクラーレンはF1の古株として競争力も高いし、何よりマシン自体がキラッキラと美しく、洗練されたフォルムもカッコイイから好きなんだ。
昨年苦労して組み上げたMP4/23だって、いくら眺めてても見飽きないし。(…ちょっと言い過ぎか)

そんなシルバーアローのマシンを来年も応援したいところだけど、はっきり言ってバトンやペレスを応援する気にはなれない。

やっぱりボクが応援したいのは、ルイス・ハミルトンという、才能溢れるドライバーただ一人なのだ。


そんな複雑な心境の中、とうとう “例のモノ” が届いてしまった。

このドでかい箱には…

ディアゴスティーニ『週刊マクラーレン・ホンダMP4/4』3週分!!

ああ…
迷いに迷ったあげく、再びイバラの道を往く決意をしてしまいました。

物欲 “封鎖” できませんでした。
マクラーレンからはハミルトンが去り、セナも居なくなったけれど、我が城西工場はこれから一年間、マクラーレンが誇るかつての最強F1マシンを組み立てる喜びと苦心の日々が続くことになります。


今回一番悩んだのはやっぱり “お金” の問題だった。

別に生活に困っているから買えないという訳じゃないけど、またしても車の模型に10万円以上の大金を叩いていいものなのかって葛藤が大きくて。
最終的には、“これが独り者ンの強みなんじゃぁ!”と開き直ることで購入に踏み切ったわけですが(泣き)
道楽で10万、20万無駄遣いするのも、結婚する前じゃないとできないことですからねっ。

…まぁ、結婚する当てなんて無いんだけど…。


とにかく、昨年の経験も生かしながら頑張って作っていこうと思っとるわけですよ。勝手に。



とりあえず1号・2号分を組み立てた。提供されたパーツ類はこんな感じ。

MP4/23の時は超複雑なフロントウイング作成にいきなり根を上げたけど、'88年のマシンのフロントウイングは至ってシンプルで楽勝でした♪
フラップの角度も調節できるので、気分次第で「ダウンフォース調整ごっこ」も楽しめそう。
ロゴなんかも既にプリント済みで、今回は終盤の “デカール地獄” に悩まされずに済みそうだ。

しかし、MP4/23に比べるとはるかにシンプルに見えるこのマシンに、どうして70回分の作業が必要なのか、ディアゴスティーニに問い詰めたいところだ。


特典で付いてきたDVDも早速観てみた。
一昨年くらいに、何でいまさら?ってタイミングで劇場公開された『アイルトン・セナ ─音速の彼方へ─』って映画なんだけど。

はっきり言って期待してなかったけど、これが意外と面白かった♪

F1という命がけのモータースポーツに挑み、お金や政治的問題に運命を翻弄されながらもレースを闘い続け、勝ち抜いて行くセナの人生のドキュメントが、実にわかりやすく感動的に構成されていてよかった。
過去の資料映像を繋いで作ってるだけのはずなのに、しっかりと映画としてまとまってしまうのは、それだけ彼の人生がドラマチックであったという証でしょうか。
本編を構成する過去の映像群もとても興味をそそられるものばかりで満足だった。
セナ車のオンボード映像はガタガタと揺れて見づらいんだけど、その分迫力が増す感じで面白いし、悪夢の5月1日に起きた4つのクラッシュ映像も今回初めて見たけど、事故の恐ろしさと凄まじさがよく伝わってくる。
特にフリー走行時のバリチェロのクラッシュは、想像よりもメチャクチャ激しくて驚いた。
あんな勢いで壁にブツかって車が粉々になったのに、平気でコクピットから這い出て来たバリチェロの当時からの “鉄人ぶり” にも驚いたけど。


アイルトン・セナのことは詳しく知らなかったけど、この映画を観るだけでも、なるほど偉大なドライバーだったんだな〜ってことがよく分かる。
もっとも、これから約一年間かけて70冊の資料本によって、その偉大さをさらに刷り込まれるわけですがね。

70冊の……。