第拾弐話 映画の価値は

熱狂的なスナブロファンの方はもうお気づきだと思いますが、少し前から本文の行間を少しツメて文章を読みやすくしようという試みを実行しています。
ワタクシ自身、このフォーマットにリニューアルしてから、本文のパラつき具合にずーーっと不満を抱いておりましたが、またひとつHTMLを駆使する術を身につけたということですな。ふふふ…。
一年前はタイトルの貼り替えもままならなかったのに、最近は行間まで調整してしまうという…日々進化するスナブログ。
まぁ、ホームページを自作しているような方から見れば、鼻で笑われるようなコトですがね。


そんなコトより、今日は見てきたばかりの映画『ベルセルク part2』のことでも書こうかと思います。

…といっても、やたら感動したとか、こいつはクソ映画だとかいう感想は無く、特筆することもなかったりして…。

もともと爆発的人気を誇る漫画を、最新の映像技術でもって丁寧に・贅沢に作り上げている映画ですから、それなりに見応えはあるけれども、映画としての新鮮味みたいなものはあまりないわけです。
ましてやこの作品は一度地上波でアニメ化されているので、映像作品としての新鮮さということにおいても魅力に欠けると言えるかもしれません。

じゃあ一体 “誰得” の映画なのかと言われると、やっぱり原作大好きな人たちがこぞって見に来るわけです。

実際、前回も今回も映画館に足を運ぶ際には、「原作のファンとはいえ、本当にこの映画に1,800円払う価値があるのだろうか」と自らに問いかけたもんです。

ストーリーもキャラクターも知り尽くしているけども、それでも映画として見てみたい。
今回の映画化プロジェクトは、それほどの説得力を持った映像を作る事ができたからこそ成り立ったということなんでしょうか。

見終わって劇場を出る客たちの感想も、「台詞がカットされまくりだった」とか、逆に「原作に忠実だったな〜」といろいろ。
原作の大ファンであるワタクシとしても、今回はどこからどこまで盛り込むのか、そんなところばかり気になっていたりしてました。


今回ワタクシ的にメインのドルドレイ戦より楽しみにしてたのが “崖下の一夜” から “百人斬り” のクダリだったのですが、ちゃんと尺をかけてじっくりと見せてくれたのでひとまず満足でした。
ただその分、その後の “夢のかがり火” のクダリがバッサリとカットされてたところが残念でした。
原作ファンのひとは、みんなそう思ったと思うけど。
あのシーンはガッツとキャスカが少し距離を縮めつつも “ガッツが団を抜けちゃうかもフラグ” が立つ重要なシーケンスで、映像的にも大変キレイな絵ヅラが期待できたところ。
4部作構成にするとはいえ、もともと長大で重厚なストーリーを映画サイズに切り分けなきゃいけないんで、逆算していくとカットしないといけなかったんでしょう。
監督さんとしても多いに悩んだところだろう、うんうん、…なんて勝手に想像してみたり。

同様にグリフィスとゲノン総督の過去話もカットされたために、劇中での2人の関係性もいまいち分かりづらかった気がする。
この映画のメインターゲットである原作のファンのひとは、2人がどういう関係なのかは知っているだろうから、劇中で詳しく語らずとも何となく分かってくれるだろうという、制作側の甘えがちょっとだけ見えたようにも感じた。
ゲノンが囲いの少年たちとワキャワキャと水浴びするシーンが追加されたけど、ゲノンの傍らで酒を注ぐ美少年をグリフィスそっくりにする事で、2人の関係性を無理矢理推測させようという腹があったのだろうか。もしそうだとしたらまったくのミスリードといえる。あのシーンを見たときは「あれっ?下で戦ってるはずのグリフィスが何でここに??」って率直に思いましたから。見ているひとは混乱するだけです。

あと意外たった…というかちょっとビックリしたのは、今回けっこう18禁な映画だったな〜って。

この映画レートかかってたっけ?
レートかけないとまずいんでないの?って思ったけど。

原作もこの辺りから性描写が過激になってきたところなんで、それをただ忠実に再現しているだけとも言えるけど、過去のヘアヌード解禁あたりから続く表現の自由化が影響しているのか、けっこうエグイ描写が多かったので驚いた。
豊崎も一連の騒動で吹っ切れたのか知らないけど、人目も憚らずにガンバって喘ぎまくっておりました。
(ちょっと前に『魔乳』とかいう、ちょっとエロ系の作品にも出てたけどサ)

この辺りも、映画化するからこそ表現できる本作の魅力ってことなんでしょうかね〜。


次回もこの調子で行くと、表現の自由に任せて鬼畜ワイアルドが原作通りに大暴れしそうで恐ろしい限りですわ。
アイツが村娘を襲うシーンとか、漫画読んでるだけで小心者のワタクシは心臓ドキドキしてしまいましたから。

ここまで観たからには残りの回も観に行くと思うけど、今から楽しみなような憂鬱なような…。


《最後に余談》例の『劇場版まどか☆マギカ』の予告編が流れたけど、あの映画こそ大丈夫なんでしょうか。
ガンバって続編か何か作っているのかと思いきや、見た感じ昔のガンダム映画みたいに「テレビ版を再編集しました」的なノリだったけど…。
果たしてやる意味があるのか、 “誰得” な映画なのか、それこそわけが分からないよって感じでした。

こんな話、弟氏が聞いたらまた激高しちゃうよ…。
ナイショにしとこ。