10年前に作り始めたアニメを完成させてみた

旧パソコンの作業環境で最大にやり残していた仕事が、オリジナルアニメーション『すっとこ太郎』プロジェクトだ。
今を遡るコト10年前、まだ動画共有サイトも普及してなかった頃、個人のアマチュア・クリエイター達が、挙ってアニメ作品なんかをネットで発表し始めた時期があった。当時は簡単なGIFアニメとかがほとんどだったけど、たまに力作を発表する強者も現れたりしてネット民の注目を集めていた。新海 誠が有名になったのもアノ頃じゃなかったかなぁ。
当時アニメにドップリハマっていたボクも、「すごい作品を作ってネットを沸かしてやるぜ」なんて意気込んで始めたのが『劇場版 すっとこ太郎 予告編』プロジェクトだった。

この髪が白(というか銀色のイメージだけど)の裸ん坊の少年が『すっとこ太郎』という、オリジナルで作ったキャラクターだ。
ジブリにも負けないようなクオリティの高いアニメを作ろうと意気込んでいたので、逆にキャラクターの名前は思いっきりヘンテコなものにしようと考えいたんだね。
作品を全部自分で作ると、何となく独りよがりな作品になる気がしたので、絵がそれほど得意ではない弟氏にあえてキャラクターデザインを任せて、ついでに「名前も『すっとこ◯◯太郎』っぽい感じで考えてよ」ってまる投げしたんだよね。まぁ元ネタは、当時流行っていた『とっとこハム太郎』をパクったオマ〜ジュした感じですが…。『◯◯』の部分に何を入れてくるのか非常に楽しみだったんだけど、しばらくして弟氏から上がってきたキャラクター原案は、そのまんま『すっとこ太郎』という人間タイプの少年だった。期待とは違ったけど、それもまたオモシロイと考えて、いくつかサブキャラクターも考えてもらいながら、兄弟でコツコツと作り始めた、アニメプロジェクトということになる。
…と言っても、キャラクターデザイン以外はボクが勝手に独りで作っていたものなので、今日ここに書く内容は弟氏も知らない衝撃の新事実も含まれていることだろう(笑)

もともと『すっとこ太郎』はテレビアニメで人気を博し、第1期〜第3期までシリーズ放映された。【妄想】
その後、テレビ版の続きが壮大なスケールで『完結編』として描かれることになり、2015年に劇場用アニメとして公開されることになった。【妄想】
今回仕上げた動画は、その映画の『予告編』という体で作った、ボクの“完全なる妄想”です。

映画のストーリーは観る人に勝手に想像してもらうというコンセプトなんだけど、各シーンが断片的過ぎて結局まとまりがなくなってしまったな〜というのが正直なトコロ。

一応『すっとこ太郎』の大まかな設定だけ書いておくと、ある小さな街『洲床町』にいつの間にか住み着いた不思議な少年『すっとこ太郎』と、それを取り巻くちょっとオカシなキャラクターたちが繰り広げる、平凡だけどどこか楽しい・ハ〜トフルでエモ〜ショナルなストーリーという感じ。(言うだけは自由ですからっ)

上記は、過去に描いた “テレビ版のキャプチャ【妄想】” という体のトメ画です。
『太郎』の居候先のひとり娘である『小雪ちゃん』は、普段おとなしい女の子なんだけど、モデルガンを持つと攻撃的な性格に変わるという、適当な設定とかもあったりして。
基本的にギャグアニメ路線なんだよな。

アニメ作品にありがちな感じで、劇場版はもっとシリアスなストーリーを展開するイメージ。
今まで小さな街で繰り広げられていたハートフルストーリーが、いきなり人類の存亡を賭けた地球規模の話になる(笑)。
いや、ちゃんと3期の後半から少しずつ伏線を張っていくんだけどね。【妄想】
そして劇場版では、ずっと謎の裸ん坊の少年として描かれてきた『太郎』が、実は神様の子供だった!という衝撃の新事実も明かされることになる。

やべッ、ネタバレしちった!

まぁ、あとは観た人の想像にお任せします。
ボクもハッキリとしたストーリーを考えているわけではありませんので…。てへッ。

ここからは、制作についてのネタばらし。
もともと個人で長編アニメなど作れるワケもなく、1分間程度の『ウソ映画予告』なら作れそうだと思って始めたアニメーション企画なんだな。
断片的なシーンを繋いで作る予告編なら、自分が好きなシーンだけ作ればいいんだから楽勝じゃん、という安易な考えで始めてしまったけど、ひとつの作品としてまとめるには “それってスゲー難しいコトじゃん” ってことに後から気が付いた。

それまでは、テレビやビデオを観て偉そうに作品を批評するだけでよかったけど、実際自分で作ってみるとアニメってそんなに簡単じゃないんだな〜ってコトも分かってきた。一丁前なコトを言わせてもらうと、単純に絵を動かすのとキャラクターに芝居をさせるってのは全然違うんだな〜って感じたわけ。

そんなこんなで、忙しい仕事の合間にせっせと作っていたけれど、途中でモチベーションをなくして数年間ほったらかしにしてたりして、また気が向いた時に続きを作って…というのを繰り返してるうちに、あっという間に10年も経ってましたわ。

途中で弟氏に見せる為にパイロット版を作ったりしてたけど、いい加減まとまった時間のあるうちに、今まで作ってきたすべてのカットをぶち込んだ『完成版』を仕上げようと思い至ったわけでスナ。
正直、長い事やってたので作画にもバラツキがあるし、適当なシーンだけ集めても結局は面白い予告編にはならないってことも分かった。
当時思い描いていたようなクオリティには届かなかったけど、貴重な時間を費やして、それなりに魂も込めた作品でもあるので、思い切ってネットに公開するコトにした。
ハッキリ言って怖いけどな!

まぁ一人でも “オモシロイ” と思ってくれる人がいれば、『太郎』も報われるでしょう。

全然待ってなかったと思うけど、愛すべきキャラクターを生んでくれた弟氏にも感謝を。

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